毎月購読している「本の雑誌」。
宮田珠己さんが、新しい古いにこだわらずへんてこりんに面白い本を紹介してくれるコーナーがある。
そこで今月取り上げられているのがミシェル・レリスの「幻のアフリカ」という本。
これは著者レリスがアフリカ横断調査団に秘書兼文書係として参加した一年八ヶ月の記録。
公的な報告書かと思いきや、レリス自身の赤裸々な日記となってしまっているらしい。
報告書なのに個人日記にしてるところがもうアヤシイ、そして読みたい。
宮田さんがこの本を(というかレリスを)評価しているところに、熱狂したかと思うと覚めきってという一貫性のなさをあげている。
苦手なノンフィクションとしてこんなふうにおっしゃってます。
以下引用。
著者がある対象を猛烈に好きになって、ぐいぐいのめりこんでいくといった体のノンフィクションが苦手だ。何やってんだろオレ、ってふと我に返ることを全面的に自分に禁じているかのような書き方に、疲れてしまうのだ。そういうのを読むと、その著者が人間味のないのっぺりとした妖怪か何かのように思えてくる。もっと途中で飽きたり、覚めたり、疲れたりするものが人間でしょうよ、といいたくなる。
この苦手なノンフィクションを裏返したものが宮田珠己さんの本なのですよ。
不思議な盆栽も、ジェットコースターも、巨大仏も、いい事、楽しい事ばかりでなく必ずどこかで引いて見ているところが好きだと以前にも書いたことがある。
同じようなこと考えてるんだもの、好きになるわけだよねえ、レリス=宮田だ!とつい嬉しくなってしまったので書いてしまいました。
この紹介で俄然読みたくなってしまった「幻のアフリカ」。
図書館にもないし、Amazonでもお取り扱いなしとあり、まさに「幻」だ。
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