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本の感想
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裏切り (小学館文庫)
「裏切り (小学館文庫)」
 [文庫]
 著者:K・アルヴテーゲン
 出版:小学館
 発売日:2006-08-04
 価格:¥ 730
 by ええもん屋.com

夫ヘンリックの心が離れてしまったエーヴァ、昏睡状態の恋人アンナに常軌を逸した看護を続けるヨーナス、別々に進む物語が接点を持ったが故に恐ろしい破局へと向かう…というような紹介に心惹かれて読んでみた。
始まりの、決定的なすれ違いの描写を、最初はエーヴァ、その後にヘンリック、それぞれの視点から書かれていること、ヨーナスとエーヴァの出会いもそれぞれの視点から、というのが非常に興味深かった。
個々が何をどう見て感じているのか、その違いが人そのものという感じで好きなところ。
しかし、いかんせん鈍感すぎないか?エーヴァの仕掛けに気付かないヘンリックといい、それをしたことでどうなるかを想像しないエーヴァといい。
理解できない極めつけは、仕掛けたことの最悪の結末にふらふらと家を出たエーヴァがヨーナスの家について行くことだ。ついて行くのはまだいい。しかし何故風呂に入る?これはまったくわからん。だからこその結末なのかもしれないけれど。
エーヴァに自分以外の男の影を感じた途端に、エーヴァへの愛を思うヘンリックも私には薄っぺらいだけだったなあ。
私向きではなかった、ということなのだな。
「罰とか報いというものはない あるのは結果だけなのだ」という冒頭の言葉が全てなのかもしれない。
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