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本の感想
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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:スティーグ・ラーソン
 出版:早川書房
 発売日:2008-12-11
 価格:¥ 1,700
 by ええもん屋.com
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下」
 [単行本(ソフトカバー)]
 著者:スティーグ・ラーソン
 出版:早川書房
 発売日:2008-12-11
 価格:¥ 1,700

大物実業家ヴェンネルストレムに関する記事が裁判になり名誉毀損で有罪となった「ミレニアム」発行責任者のミカエル。失意のミカエルの周辺を大企業ヴァンゲルグループの前会長ヘンリックは調査員を雇って調べさせる。担当したリスベットの報告から、ヘンリックは兄の孫娘ハリエット失踪事件の調査をミカエルに依頼する。事件を解決すれば共通の敵であるヴェンネルストレムを今度こそ葬り去れる情報を渡すという条件付きで。ミレニアムから離れることを考えていたミカエルはこの依頼を受け入れる。

世界で800万部売れたとか、出版を待たずに著者が亡くなったとか大きな話題だし、好きな書評家さんが絶賛しているので興味が湧かないわけがない。
それに久々のスウェーデン小説だし(読んだなあ、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーのマルティン・ベック)。
しかし、上巻はいささか戸惑う。
リスベットの優秀さ、ミカエルが調べ始めたハリエット事件の表情などは見えるのだがどうも乗れない。
下巻になって、二人が顔を突き合わせてからは転がるように進んでいくので一気だったが。
各章タイトルの裏にスウェーデンでの虐げられた女性の立場が書かれているが、ミカエルが探し出してしまった事件の本質もそういうことだった。犯人が精神を病んでいるのだが、女性の扱われ方が無関係とはいえないかも。普通の女性でもひどいめにあっても口をつぐむ、さらに立場の弱い、身寄りのない人を選ぶ、人の心とはいえない。
この真相に直面したリスベットとミカエルの感情が違う。
警察に通報し、全てを知らせるべきというミカエル。しかしリスベットは「警察とは関わりたくない」。
ここらへんにリスベットのタトゥーの意味や、社会不適合者とされていることが隠されているのかもしれない。
最初から三部作と聞いているので(本当はもっと続くはずだったようだが)、リスベットのこれからがとても気になる人なのだが…。
ハリエットの失踪は「え?」だし、失踪事件解決後の新情報でヴェンネストレムと対決があるのかと思いきや、逃げちゃったうえにあんなだし。これならヴェンネストレム部分は私にはいらなかったなあ。
リスベットに多くの謎があるようなのでシリーズ続きは彼女の生い立ちや、ミカエルと出会ったことで無意識に心の通い合いを求め、それに気付いて困惑する彼女、はたまたそんな彼女を見てミカエルはどうなるのか?、そういった感じで読みたいな、と。

余談
ただ単にスウェーデンつながりというだけですが。
先日WOWOWで、ヘニング・マンケルの刑事ヴァランダーのドラマを三本見た(イギリス製作)。
「目くらましの道」を非常に体調の悪い時に読んだせいか「自分には合わない」と思っていたが、視聴後「原作を読み直したい」と変わった。一作目から読まなかったというのも原因だったかも。
「合わない」と思ったわりには「ミレニアム」より好みだったな、と今なら思えるし。
8月3、4、5日と再放送があるので見られる環境の方にはおすすめ。
そしてミステリチャンネルでは8月14日から本家スウェーデン製作の「刑事クルト・ヴァランダー」の放送開始。予告見た限りではとても期待しているのですがどうでしょう?
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