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本の感想
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青年のための読書クラブ
桜庭 一樹
新潮社
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2019年に変革を迎えることとなるが、聖マリアナ学園は100年の歴史をもつ幼稚舎からの女子学園。100年の校史には残らない裏の歴史を記録することがはみだしものの「読書クラブ」。 そのうちの5つのエピソードがこの本。

熱病に浮かされたかのような物語。
その時代、時代の女子高生だからでしかありえない美しさと醜さと残酷さと親愛が聖マリアナ学園というひとつの世界で繰り広げらる。
「奇妙な旅人」や「一番星」でみられる、新聞部と放送部のスクープ合戦、ネタの売込み、メディアを利用しての心理作戦といったものはそのまま社会の縮図。
学校が社会の全てという錯覚を自分も経験したと思う。
女子校というのは著者がよく使う「異形」の存在であるのかも。

女子学生を形容するのに「下衆な親父がそのままクリーム色の乙女の制服を着たような」ってのはどうかとも思うが、その様が頭に浮かんでくるのも事実(笑)。
容赦ない表現は隔絶しているからではなく、そういうものとして存在している証拠。それこそ「読書クラブ」と同意なのかもしれない。
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「青年のための読書クラブ」
読めば読むほど、頭の中が宝塚歌劇団でした。
桜庭さんの表現は容赦なくて、思わず吹き出してしまいます。
前回の『情熱大陸』では、終始、戸惑っている様子が可愛らしかったです。
めみ URL 2008/02/29(Fri)  19:07 編集
Re:「青年のための読書クラブ」
そうでした、桜庭さんがテレビに出ると聞いていたのを忘れてました。
直木賞&芥川賞の授賞式などでも、芥川賞の「撮られなれている」方とは違う戸惑っているような初々しさがありましたよね。
それとこの容赦ない表現のギャップがまた楽しめます(笑)。
【2008/03/01(Fri)  09:30】
読書クラブ
女子高のはみ出し者ばかり集まる読書クラブっていうのがもうすでに怪しげな雰囲気プンプンでいいですよね。
女子高特有の残酷さや華やかさが上手に描かれてしました。

年数が経過しているそれぞれの章がちらりとリンクしているのも巧いですよね。一番最後の章が好きでした。
hito URL 2008/10/21(Tue)  14:14 編集
Re:読書クラブ
閉鎖された空間である女子校と、桜庭さん、それぞれが持つ独特の雰囲気に酔わされた感じがしました。
ここまで極端ではありませんが、学生時代ってこれが世界の全てと勘違いしやすいですよね。
そんなこんなを思い出し顔から火を出しながらページをめくったり(笑)。
【2008/10/23(Tue)  11:08】
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