林真紅郎は元法医学者。妻を事故で亡くし職を辞してからはぶらぶらと過ごしている。真紅郎は周辺で起こった五つの事件の事実を脳内でシンクロさせて真相を導き出す。
「イニシエーション・ラブ」が印象的だったので同じ著者のものを読んでみようと手にした短編集。
あー、真紅郎ってシンクロのダジャレなんだ…。
ユーモアミステリだったらそういう表記が出てきてもなんとも思わないのだろうけれど、これ、どれもそんな話じゃないのでそこだけ浮いて感じる。
真紅郎もいたって真面目な男なのに。
面白くないってことはないけれどそのチグハグさと偶然過ぎるような展開の方が気になる。
それと表紙には真紅郎とその飼い犬らしき姿が描かれているのに、犬の活躍がないことが不満だ(笑)。ちょっとは登場してたけど活躍してないもの。
印象的だったのは「過去から来た暗号」。
真紅郎が小学生の頃凝っていた独自の五十音表。それに基づいた暗号で友人宛に書かれた年賀状の内容を解くというもの。ちょっとおセンチで郷愁をそそるような展開だが、この独自五十音が私的に少しシンクロ(笑)。
最近読んだメイド探偵になりたい女子高校生歩鳥が主人公の「それでも町は廻っている」というマンガの2巻で、歩鳥が落ちていた光線銃を撃って宇宙人を呼んでしまう話がある。
その宇宙人の会話がこれまた独自五十音表に対応している。ラストには対応表も載せられた親切設計。
これもそれも、照らし合わせながら読んでみましたよ。
何故宇宙人が五十音対応なのかは触れてはいけないのだと思う。
それでも町は廻っている 2 (2) (ヤングキングコミックス) 石黒 正数 by G-Tools |
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