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本の感想
アリスの夜
アリスの夜
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三上 洸
光文社
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ジャズバー経営に失敗した水原真彦は金貸しの裏にいるヤクザもののいいなり。芸能プロダクションの運転手をすることになるがその中には幼女売春の送迎も含まれていた。「商品」の一人アリスに心を乱され、ある日この世界から逃げ出そうと決意するが一人残すアリスが気掛かりになり連れて逃亡。そんなことが許されるはずもなく、ヤクザものは血眼になって真彦とアリスの行方を追う。

大元にある幼女売春の話には嫌悪するが、アリスに魅かれた真彦が手を出さないで懸命にアリスを助けようとしているのが救い。
逃亡劇のスピード感が効いているのもそのせいか。
一言で言っちゃえば、10歳の娘に本気で魅かれる真彦はロリコンなのかもしれないけれど、本当に守りたいものを見つけた彼の自堕落からの変身は認めてあげないと、という気にさせる。
最後の最後の決断もシスターの言葉通り、「あなたご自身が、そう思いになるのなら、その方がいいのかもしれませんね」。アリスが千鶴以外の誰でもなくなった時に会えばいいじゃないか!と思う。
愛する人の幸せを最優先させる真彦の成長を素直に受け止められる、そんなお話。
小説ならここで終わりだけれど、幼児の性的虐待はその当時は実感がなくても性行為がどんなものかを本当の意味でわかった時に影響が出ると聞いたことがある。
それを千鶴が乗り越えられて、それでもマーくんに会いたいと思ってくれるならそれが本当の再会になるのだと信じたい。

この本が出版されたのが2003年の3月。
振り切ったはずなのにすぐ近くまで追跡されている事を不思議に思いつつ、なかなか携帯電話に思い至らなかったあたりに技術の急速な進歩を感じる(笑)。
この頃はGPS機能付き携帯電話なんて一般人には思いつかなかったのか、と。
冒頭の真彦はリタリン依存症でその理由が「シャブは恐いから」。
でも日に30~40錠も飲んでる。依存性の強い薬のようで今は規制の対象となっているというのが実にリアルに伝わるエピソード。

あとは犬バカとしては犬の描かれ方が不満(笑)。

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