2003年4月1日、レスリー・チャン(張國栄)はホテルの24階から身を投げた。
日付が日付だけにイタズラニュースと思い、にわかには信じられなかった。
しかしレスリー様は本当にこの世を去ってしまった。
レスリー様一人に焦点を絞ったものではなく、明星レスリー・チャンと同時に生きた香港を振り返るのがこの本。
でも客家人だったというのは始めて知った。
私は時代的にも復帰後からしか知らず熱心なファンではなかったが、その死は衝撃だった。
「レスリー様」と呼んでしまうくらいには特別なスターだったもの。
本人はあまり気に入っておられなかったとの話も聞くが「覇王別姫」の蝶衣が私には強烈だった。
「男たちの挽歌」、「欲望の翼」等何本も見たが蝶衣の時代を生きた業というか、圧倒されるまでの存在感を超えるものはなかったように思う(全てを見ているわけではないし、主観に過ぎません)。
この本は張國栄の評伝ではないが、こうして振り返ると香港芸能界は彼と共に生きていたのだなと強く感じる。
評伝でないとはいえ、レスリー様を中心に据えて書かれているし、私自身が強く関心を持って映画を見ていた時期と重なるからなのかもしれない。
(私が想う)一番熱かった香港映画の時代を知る本だといえると思う。
同じ2003年末にはレスリー様の親友であり大スターのアニタ・ムイ(梅艶芳)も病気で亡くなった。
レスリー様の自殺を知った時とは違った、時代が終わったような寂しさを感じたのを思い出した。
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