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本の感想
毒 poison
「毒 poison」
 [単行本]
 著者:深谷 忠記
 出版:徳間書店
 発売日:2006-08
 価格:¥ 1,785
 by ええもん屋.com

病院が舞台。
卒中で倒れた入院患者、コイツが悪いヤツ。DV旦那なわけですよ。
気に入らないと奥さんを怒鳴りつけ、殴る蹴るの横暴極まりない男。
幸い(なんだかどうだか)後遺症も軽く、いつ退院してもいいのに「高い金を払ってやっているのに(特別室利用)」と退院の素振りを見せない。
こいつ、奥さんに対してだけでなく他の入院患者に対しても暴言を浴びせる。
「あんたは良くならない」とリハビリの気を削ぐようなことを平気で言う。
当然みんなの嫌われ者。
向かいの病室には同じように卒中で倒れ、こちらは半身に後遺症がみられる。
対象的に医師にも看護師にも、身内の奥さんに対しても「ありがとう」の言葉を忘れない優等生患者。
でも、後遺症の残る自分を役立たずと決め、自殺願望を看護師に語る。
仕事柄薬品に詳しく、仕事先から自殺用の毒物を持ち出している、それを飲んで死ぬ、と看護師に言うが毒を取り上げられ、改心したかに見えた。
ある日、病院から毒物盗難事件が発生。それが解決しないうちに横暴患者が盗まれたものと同じ毒で死亡する。

こういった本だから誰かが殺されるだろうことは想像つく。
なので殺されるならコイツであって欲しいヤツが殺されるのでスッキリするが、ということは絶対このままではすまないのだな、と新たな展開が想像される。
その新たな展開がお見事。
ああ、そうか、と気をつけて読んでいればうかがえるかも。
あの横暴男が酷すぎるので気を取られてました。
DV被害者の複雑な心理も伝わってくる。
DVって目に見えることだけじゃないからね。狡猾なヤツもいるからね。
質が悪いったらありゃしない。

以下ネタバレですが。
看護師に自殺をほのめかし、偽薬を手渡した優等生患者、あれで自分に注意を向けさせて影で舌を出していたのかと思うと、心底気持ち悪い。
横暴DV旦那の方がわかりやすい分、罪が少ないかもしれない。
いや、奥さん殴っちゃいけないんだけどね。
でも周りには知られないように、注意を払いながらの優等生患者は許しがたい。
奥さんや子供達の表情がサインだけれどそこまで突っ込めないでしょ。
仕返しが恐いし、経済的に自立できないし、何より周りにこの事実を知られたくない必死さもあるんだろうな。
毒ってのはこの男のことだな。
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