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本の感想
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さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)
米澤 穂信
東京創元社
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「犬はどこだ」が気に入った米澤さん。

1991年、偶然に雨宿りをする外国人少女マーヤと出会ってしまった守屋とセンドー。
乗りかかった船とばかりにホームステイ先を世話し、密な2ヶ月を過ごす。
マーヤの帰国する先は紛争の只中のユーゴスラビア。
紛争が激しくなる中彼女の身を案じるが、守屋たちは彼女がユーゴスラビアのどこに帰国したのかわからない。
安否を確認したい一心で当時の日記やユーゴ紛争の資料から行方を突き止めようとするが…。

鈍感なのにのめり込む守屋が好きにはなれない。
それはきっと彼がリアル高校生だからかも。
自分も含め、この年代って良くも悪くもそんな感じだった気がする。
マーヤは恋愛感情というより、彼にのめり込む何かを与えた存在なんだろうな。
それをすべて察して口を閉ざし続けたセンドーも好きなタイプではないが、彼女はマーヤを日本の友人として受け止めていたんだ、と痛感させられる。
誰も彼もが不器用な高校生で、誤解も過信も高校生の特権なのかもしれない。
でもそこに投げ込まれたのがユーゴの紛争という一般的な高校生ならまず触れ合えないような話題。
自分の手にはどうすることもできない、でも想い出にするにはあまりにも酷な現実。
メインストーリーは胸に迫るものがあったのですが、マーヤが守屋たちにぶつける疑問がピンとこなかったなあ。
それが彼女の戻った先を推理させる手がかりなんだけどね。
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