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本の感想
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深夜の逃亡者 (扶桑社ミステリー マ 26-2)
リチャード・マシスン
扶桑社
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元ピアニストのヴィンスは精神病院から脱出する機会を狙っていた。脱出して愛するルースをボブの魔の手から救うのだ、と一人決心する。その計画を実行に移した恐怖の一夜。
お初の作家と思っていたが、あの有名な映画「激突!」の作者だとか。

突然やって来られて理解できない要求にうろたえる元マネージャー夫妻、そこに呼びつけられたヴィンスの憎む対象ボブ、ボブを案じて後をつけた身重の妻ルース、この5人の深夜から明け方にかけての数時間の出来事。
「僕のルースを奪ったボブから彼女を助けなきゃ、そのためにはボブを殺さなきゃ」という想いに支配されて行動を起こすわけだけれど、ルースはボブととっても幸せ。それどころかその後に起こした事件で精神病院に入れられたことに同情はするが、一時期とは言えヴィンスに魅かれたことを後悔さえしている。でもヴィンスには「ルースが愛しているのは僕、ボブに騙されている」との考えから逃れられない。今でいうれっきとしたストーカーだ。
ヴィンスの想いは歪んでいて理解不能。それゆえに先の展開が読めずはらはらする。理屈や予測が成り立たない恐怖をどうぞ、という感じかな?
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