「聖域」に続く大倉さんの山岳ミステリで、こちらは四編からなる短編集。
松山警部補が登場すると思ったのに主人公の名前が違うようで残念と書いたが、主人公を支えるサブキャラクターとして活躍してました。
「聖域」を読んだ時にも感じたが大倉さんにとっては山も登場人物の一人であるかのようだ。
表情の変化など見方を変えれば人のそれよりも生気が伝わってくる。
山での事件という性格上、きっちりとした答えにはならないこともあるがそこへと導く釜谷、原田の篤い心を感じる物語だと思う。
でもですね、正直言うと他の方がこれを書かれたならもっとのめり込めたかなあと思わないでもない。
だって私にとっての大倉さんは落語シリーズだったり、丑三つ時だったり、警官倶楽部だったから作風の違いを感じても無理ないでしょ。
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