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本の感想
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もう誘拐なんてしない
文藝春秋
発売日:2008-01
おすすめ度:4.0

20歳の大学生樽井翔太郎は甲本先輩の移動たこ焼き屋台を引き継いで夏休みのバイト中。ある日、人相の悪い二人の男に追われる女子高校生を成り行きで助けることになる。助けてみてびっくり、女子高生花園絵里香は地元のヤクザ花園組みのお嬢さまだった。彼女は父親に内緒で重い病気の義理の妹の治療費を捻出できないかと悩んでいた。乗りかかった船とばかりに翔太郎は狂言誘拐を持ちかける。絵里香も大乗り気、甲本先輩の協力を仰いで計画は練られるのだった。

お初の東川さん。少し前のA日新聞の読書欄に写真付きでインタビューが載っていたので興味が湧いてチャレンジ。楽しかったですよ。
花園組が構成員7人の弱小であることがわかるキャラクターの抜け具合、はずれ具合がお気に入り。いい雰囲気なのですよ、ヤクザなのに。
絵里香には皐月という姉がいるが父親より彼女が一番それっぽく、なるほど組を継がせたくなるわけだと納得。
狂言誘拐計画中の3人も欲がないのがよろしい。絵里香が最初にあげた身代金の額が500万円ですよ、お家の内情を把握していることに好印象(笑)。
「誘拐犯はいやだけど狂言誘拐は詐欺、誰も傷つけない」とう論理にいたく感動(嘘)。何事にも理由というものは存在するのだという意味でね。
永遠にこのやりとりが続けばいいな、と思うが「事件」には終わりが存在しなければならないわけで。
狂言誘拐を利用して本当の犯罪が裏で起き、後半はミステリ小説のように展開。ユーモアを忘れずにいながらちゃんと伏線を回収しているのもよかったです(たぶん・笑)。
ケチをつけるとするならば、花園組にそんな上昇志向を持ったヤツはいてはいけない、というところかな(笑)。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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