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本の感想
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三川基好さんがお亡くなりになったそうです。
もうトンプスンの訳は読めないのかな。
ご冥福をお祈りします。
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前作の出張編は読んでないですが。
イメージとして短編の方が読みやすいというかまとまるような気がするので。

成風堂という書店を舞台にした謎解き短編集。
バイトの多恵ちゃんの推理も健在です。
できれば警察が介入するような事件が背後にチラつかないで欲しいと願うのは、直前に読んだ本のせいでしょうか(笑)。
「取り寄せトラップ」、ピースが寄せ集まっていく感じがとても好きなのですが背後に浮かんできてしまった殺人の可能性、これを思うと話の枠から出て悲しさが。
そこまで含んで組み立てられてるんでしょうね。
つまりこれもトラップか?(笑)

書店に勤めている知人に聞くと、謎解きのストーリーよりも(?)書店員の日常が書かれているのが嬉しいとか。
女性誌発売日の恐怖やお客様の思い込み、そういったことに頷くのも楽しいらしい。
本好きなら想像して含み笑いのできるネタもありなのが好評の理由なのかも。
海外ドラマブログから独立させたので自己紹介等忘れてました。
本プロを閉じたこともあるので心機一転、以下に好きな作家等書いておきます。

読んだ本の感想専用のブログです。
主に図書館で借りて読みます。
何故なら「はずれた」と思ったら立ち直れなくなりそうだから。
その代わり、気に入った本は読後でも買います。
図書館派なので新刊本を読むのはほとんど奇跡に近いです。
読むスピードが遅いうえに、海外ドラマ好きでもあるので読書量は少なめ。
でも読むのは大好き。
読書傾向はとりあえず何でも読む乱読派ですが、SFは苦手。
日常と違う設定・名称を覚えるのが大変だから(笑)。

好きな作家
内田百?、奥田英朗、大倉崇裕、
トマス・H・クック、ジム・トンプスン、バリー・ユアグロー
収穫祭
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西澤 保彦
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1982年8月12日、台風が接近中の首尾村。
中学3年生のブキ、カンチ、ゲンキはカンチの家の離れで夜を過ごすはずだった。
不審な物音を聞き外へ出ると、同級生のマユちゃんの悲鳴が。
家族が自宅で殺されているという。
助けを求めようと村を彷徨うも、出会うのはマユちゃんの家族同様殺された人ばかり。
おまけに外とつながる橋は濁流と犯人によるガソリンで燃え消滅。
身を寄せ合って助けを待つ3人…。
9年後、犯人とされた英会話講師の家族が息子の無実を証明するために来日。
するとなぜかまた同じような殺人が…。
犯人は別人だったのか?

人が死にます。とにかく死にます。
1982年の事件で村一つ消滅してますからね。
最初こそ○人も殺された、と数えてたけれど止めましたよ。

助けが欲しいのに出会うのは死体ばかり、中学生なりの知恵を出し合って助け合いながら進んでいく最初の章は見事に引き込まれた。
犯人とされた外国人英会話講師も実は犯人じゃないんだなというのもわかるし、それ以降の真犯人へのつながりに期待も十分!
…でも私的にはどんどん失速。
途中、発熱したせいもあるかもしれないが。
無実の証明にあたるお金持ちさんの介入があまりにも…。
調べるのはいい。
しかしその解決法、どうでしょうか。
真犯人にいきついて激昂してつい、じゃないでしょ。
最初からそうするつもりだし。
それじゃ殺し屋じゃん!

カンチの登場にもいきなり感が強くないかなあ。
そこに至る心がブキとの会話でしかわからないんだもの。
真犯人が凶行に至った理由もそうか!とはいかないなあ。
心を病んでしまうとはそういうこと、で片付けるにはあまりにも…。
病んでしまった人の病んだ犯罪でいいのかなあ?
ブキも含む。
連発される性描写も心の闇を描くのに必要だったのかもしれないが、私には過剰にしか思えなかった。

そうそう、真犯人の人が登場したところではその違和感、ありましたよ。
そのわりには冷静じゃないの?って。

いろんな疑問が解けていく過程は納得させられるけれど、嫌な感じともったいない感が強い。
発端は最高だと思うもの。
累犯障害者
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山本 譲司
新潮社
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著者は秘書給与詐欺事件で実刑判決を受けたあの方。
その時の服役経験から書かれたのがこの本。
加害者に障害があるとわかると報道する側はほとんどがそこでストップしてしまう。
この本はそこから先をほんの一部だけだが紹介している。

恐喝の被害者が聾唖者、恐喝も手話で行われていたという事件に驚いた覚えがあるが真実はもっと驚くことの連続。
自分と世間、行政の無知にいたたまれなくなる。
例えば、聴覚障害者は耳が不自由なだけで他の生活には支障がないと思っていた。
思っていたというよりも、考えてもみなかったというほうが正解。
聴覚が不自由ということはそこから入ってくる情報が得られないということ。
幼い頃からであれば言葉もままならない。
その状態でこの社会を生きるにはどれだけの努力や支援が必要か。
手話だけでは解決できない。
その手話も言葉があって手話を使う健常者と本当の聾唖者のそれでは上手く通じないということもはじめて知る。
知的障害がなくても、取り入れられる情報が少なくなってしまう。
聴覚障害者被告の弟の言葉「常識のなさを感じてしまう」これがそれを物語っているのだろう。
その場にそぐわない言動、それは知能が劣っているのではなく結果として制限されてしまう生活経験の少なさからくるのではないだろうか。

タイトルの累犯障害者とは、自分の居場所を求めて犯罪を重ねてしまう障害者という意味合い。
取り上げられている事件が全部これに該当するわけではないが。
これをすれば刑務所には入れる、そこなら暮らしやすい、と。
暮らしやすさを求めて犯罪を犯す。
刑務所を刑務所だと理解できなくても、ここなら暮らせる、と思ってしまうんですよ。
同じことが売春を続ける知的障害女性にもいえるかもしれない。
お客さんは親切で、かわいい、キレイだと言ってくれ、お金もくれる。
身を売っているのにそれを幸せだと感じてしまうんですよ。
普通の生活の場がどれだけのものなのか、想像しきれない。
そういう場合に必要なのは刑罰ではなくてサポートなのだと思う。
「そんなことしたら刑務所に入れるぞ!」「それだけは勘弁して」などという会話が刑務所から聞こえてくるのは間違っている。

著者の方が秘書給与詐欺で話題になった時、どれだけ豪華なカツラを作ったんだとか鼻で笑っていた。
この本を読み、罪を憎んで人を憎まず、という気持ちになった。
「秘書給与とはそういうもの」と疑う余地のない世界なのかな、とさえ思えてくる。
疑えないというのが間違ってるんだけどね。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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