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本の感想
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テースト・オブ・苦虫〈2〉
「テースト・オブ・苦虫〈2〉」
 [単行本]
 著者:町田 康
 出版:中央公論新社
 発売日:2006-05
 価格:¥ 1,785
 by ええもん屋.com

嘘はつくのもつかれるのも大嫌い、と本人書いてますが
もうそれが嘘。
嘘っていうよりも煙に巻かれている感じかな。
そのリズムがとてもうれしく、楽しい。
またそんな大袈裟に、と笑いながらもどこか納得。
タコ足配線とか、諺とか、自分も思っているようなことが垣間見える。
それだけでうれしい。
丸々一冊煙に巻かれっぱなしになってみたい方、是非。
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蜂の巣にキス (創元推理文庫)
「蜂の巣にキス (創元推理文庫)」
 [文庫]
 著者:ジョナサン・キャロル
 出版:東京創元社
 発売日:2006-04-22
 価格:¥ 903
 by ええもん屋.com

スランプ中の作家サム。
ふとしたはずみで故郷を訪れ、ここで自分がすごい経験をしていたことを思い出す。
30年前、自身が少女ポーリンの遺体の第一発見者だったのだ。
この事件について書くことでスランプ脱出をはかろうと決意する。
そして執筆のため、事件を見直していく。

ポーリン事件の真相をめぐるミステリ。
それよりも恐いのがサムの熱烈なファンで思いを遂げるヴェロニカ。
事件の真相よりもヴェロニカの行動が気になって仕方ない。
だってわかりやすく言うとストーカーでしょ。
無理矢理サムの仕事のパートナーになってくるし、拒まれるとアレだし。
ヴェロニカの目的が最後までわからなかった。
ただサムに自分を好きでいてもらいたくて、役に立ちたくてってそれだけ。
サムも彼女が恐いけれど、魅力を感じずにはいられないでいる。

ポーリン事件とそれを取り巻く謎の真相は明らかにされるが、
「あいつにそんなことする力が残っていたのか?」という疑問は残る。
謎解きミステリというよりも、
登場人物の心情にいちいち反応してしまうのでした。
向日葵の咲かない夏
「向日葵の咲かない夏」
 [単行本]
 著者:道尾 秀介
 出版:新潮社
 発売日:2005-11
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

小学4年生のミチオ。1学期の終業式の日、欠席したS君に夏休みの宿題を届けに行き、S君の首吊り死体を発見してしまう。
急いで学校に戻って先生に報告。先生と警察がS君の家にいくと死体は消えていた。
ミチオの証言が疑われるが、調べてみると死体のあった形跡がある。
誰が何のために死体を動かしたのか?S君は自殺なのか他殺なのか?
お母さんにはウソツキよばわりされ消沈するミチオのもとに死んだはずのS君が「生まれ変わって」現われる。
そして「僕は殺された、身体を見つけて」と訴える…

ミチオとS君とミチオの妹ミカ、3人の一夏の冒険小説かなと思わせる。
でもそんなもんじゃない。
ミチオとお母さんの関係、担任教師の素顔、連続犬猫殺傷事件…
子供に負わせるには酷なことが次から次へと。
嫌な感じがしながらも先が気になる。そんな自分がまたちょっと嫌な感じがする。
でも読み進まずにはいられない。
ミステリなんだけれど「生まれ変わる」という常識外の設定が上手い具合に溶け込んでいる。
そういったことをふまえてもミチオの家の描写は胸が悪くなる。
ミチオが可哀想になりながらも、彼の本心がチラチラ見えると複雑なものがわいてくる。
読み応えはあるけれど読む人を選びそうな、クセのあるお話かな。
月への梯子
「月への梯子」
 [単行本]
 著者:樋口 有介
 出版:文藝春秋
 発売日:2005-12
 価格:¥ 1,600
 by ええもん屋.com

主人公のボクさんは40歳。
幼い頃の高熱が原因で知能は小学校高学年程度で停滞している。
ゆっくりでも確実に用事はこなせる。
息子の将来を案じ、お母さんはアパートの経営という仕事を残して逝く。
ボクさんは持ち前の根気と丁寧さで修繕等何でも片付けてしまう。
当然、入居者や近所の人達の暖かい援助もある。
そんな愛情に包まれて暮らしていたボクさんの生活が一変する。
外壁の塗装作業中に窓から入居者の死体を発見してしまう。
そのショックで梯子から落ち、頭を打って病院へ運ばれる。
意識を取り戻すとやけに視界が明るい。
段階をゆっくりと踏まなければできなかったことがすらすらとできるようになる。
考えや言葉もどんどん浮かんでくる。
頭を打ったことで脳の停滞していた部分が活性化したかのよう。
それだけではなく、入居者の殺人事件後住民が全員消えてしまう。
おまけに全員が身元を偽っていた…

みんなが親切で頭の回転の遅いことを馬鹿にしたり、それを利用してやろうなんて人はいなくて幸せに暮らしていた。
それが殺人事件を境に知らないでいたことを知ってしまう。
何故身元を偽っていたのか、親切な幼なじみの抱えていたもの…
殺人事件の犯人は誰か?のミステリーであり、愚鈍でなくなったボクさんの冒険譚でもある。
事件が一応の解決を迎えると、そこにはある結末が待っていた。
「アルジャーノンに花束を」を連想させる。優しくあたたかいけれど切ないお話。
やさしい死神 (創元クライム・クラブ)
「やさしい死神 (創元クライム・クラブ)」
 [単行本]
 著者:大倉 崇裕
 出版:東京創元社
 発売日:2005-01-08
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

「丑三つ時から夜明けまで」が面白かった大倉崇裕さん。

落語季刊誌の編集部員・緑(総勢2名)が主人公のシリーズものの3作目。
前2作は未読だけれど、短編集なので細かいことは気にせずに。
落語会を舞台にして起こる様々な事件を
編集長の洞察力と緑の行動力(?)で解決していく。
寄席の様子から始まるので落語のさわりに触れられる。
でその落語の題目が微妙に事件に絡んでいくという展開。
酷い殺人もでてこないし、解決して暗くなるような話もないので安心して楽しめる。
短編一つ一つが落語の人情話のような感じ。
このシリーズの前作も読んでみようかな、という気になった。
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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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