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本の感想
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人柱はミイラと出会う
石持 浅海
新潮社
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人柱、参勤交代、厄年などが形を変えて現在も存在している日本を描いた短編集。
厄年休暇はあるとうれしいかも。

留学生リリーが、歴史でしか知らなかった日本の制度・風習に触れ目玉を丸くするというお話。
いや、かなり日本人でも驚く。
人柱は人柱職人という資格職、厄年の人は一年間休める、既婚女性はお歯黒、どれも現存しないことですからね。
ミステリなのでそれなりに事件は起きる。
その謎解きは人柱職人の東郷直海が力を発揮する。
…でも、謎解き部分はむらがあるかな。
数々の風習にまつわる設定が勝っているからこそ、そう感じてしまうのかな。
でてくる風習を茶化すというよりは、こういった意味を持ったものだから、と今に合わせて膨らまされているのでとても好印象。
でも、リリーが驚いてホームステイ先の娘慶子に「リリーは日本に来て間もないからね〜」となるくだりはパターン化したギャグとして成り立っているのかもしれない。
私はこうい軽いミステリは設定にやられてしまう傾向がある。
ほら、「丑三つ時から夜明けまで」とかね。
とても楽しめましたが、最後の恋愛話はいかがかな、と。
最後の最後、直海をびっくりさせるために必要だったのだ、と思えばありかな?
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無題
確かに、これはひねりの効いた設定ですね。面白そう。私も読んだら設定にやられてしまいそうです。
石持浅海の著作は以前『月の扉』を読んだことがあります。もし「推理もの」という定理があるならば、その定理に忠実に当てはめてストーリーを組んだ、なんともいえない「いわゆる推理もの」臭がぷんぷんしているように思えるがちょっと私の好みではなかった(ミステリーは好きなんですが)のですが、独特の疾走感のある文体など、惹きつけられる部分がたくさんある作品でした。
この『人柱はミイラと出会う』は短編連作なので軽く楽しめそうですね。私も読んでみようっと。
素風 URL 2007/08/06(Mon)  10:56 編集
無題
◇素風さんへ
設定が大切ってことありますよね。
私、ありえないことがしっかり設定されているということに魅力を感じる質のようです。
他の方にも、石持さんは石持って感じの世界が…と言われたので読むときは覚悟が必要かな?と思っていましたが、これは軽く楽しく読めますよ。
yasishi URL 2007/08/06(Mon)  12:03 編集
無題
はじめまして
真保さんの記事に遊びにきてくださって
ありがとうです

石持さんの作品は 扉は閉ざされたままをはじめて
読んで面白かったので次は顔のない敵 水の迷宮を
読みました どれもけっこう面白かったので
この作品もおもしろそう!図書館で予約してみようかな〜
昨日行ったばかりだけれど(;´▽`A``

よしっ 予約カードに書きますo(>▽<)o
教えていただいてありがとうです

読むのが遅くてなかなかアップできないんですけれど
よかったらまた遊びにきてください
昨日はやっと重松清さんの新刊を読めました
といっても上巻だけですけど・・
まめころりん URL 2007/08/09(Thu)  10:20 編集
無題
◇まめころりんさんへ
こちらにもいらしていただいてありがとうございます♪
石持さんのはどれも面白いですか。
私も他の作品にチャレンジしてみようかしら。
この本を読んだらまたお話聞かせてくださいね。

私も読むのは遅い上に、図書館派なので系統だってなくてばらばらです(笑)。
おまけに別ブログを見ていただければわかるように、テレビばっかり見てますから。
yasishi 2007/08/09(Thu)  10:46 編集
無題
本格スキの私にとって、石持さんは、注目作家の一人です。
他には「月の扉」しか読んでませんが、本格魂あり、と見ました。
この「人柱」も設定もユニークだし、本格だし、いいですよね。
(トラバも貼らせて頂きました。)
たちばな ますみ URL 2007/08/13(Mon)  10:51 編集
無題
◇たちばな ますみさんへ
石持さんは本格注目の作家さんなのですね。
私が不勉強でした。
ありえない設定に魅力を感じる質なので、そういった系統の作家さんかと思ってました…。
たちばなますみさんが本格魂と感じられた「月の扉」、心の読書リストに載せておきます。
yasishi 2007/08/15(Wed)  10:29 編集
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